@article{oai:kindai.repo.nii.ac.jp:00004912, author = {池上, 甲一}, issue = {28}, journal = {近畿大学農学部紀要, Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University}, month = {Jan}, note = {発展途上国,とりわけサブ・サハラ・アフリカ諸国の多くは,小農経済に基礎をおく農業国でありながら,依然として食料問題に直面している。そこで,食料問題を解決しようと,各種の農業技術移転が図られている。本稿は,日本の技術協力の下に,タンザニア・キリマンジャロ州において実施されている灌漑稲作の到達点と現段階における諸問題、およびその安定的な持続性を確保するための条件を検討する。この課題を解明するために,まず灌漑稲作プロジェクトの導入経過とその技術構造の特質を明らかにし,次いで灌漑稲作の経済的成果を分析する。これらの分析を踏まえて,灌漑稲作が定着するために考慮されるべき諸問題を検討し,最後に定着のための条件を探る。キリマンジャロ州の灌漑稲作プロジェクトの目的は,熱帯半乾燥地帯に灌漑稲作を導入し,それによる食料問題の解消と小農経済の向上におかれている。この基本目的からみると,灌漑稲作プロジェクトは今のところ大きな成果をあげている。プロジェクト地域の農民は全体として,灌漑稲作から基礎的食糧の確保と現金収入の増大という2つの効果を得ている。さらにプロジェクト周辺地域へも灌漑稲作は急拡大している。しかし,そのような成果の現れは一様ではなく,農民のタイプによって異なっている。また水を入手可能な村とそうでない村との格差も大きくなっている。さらに,これに関連して,水をめぐる紛争が激化しつつあるという問題が指摘できる。つまり,共同水利の経験が乏しい地域で,どのようにして水利秩序を形成するのかという課題が重要である。この問題は結局,技術移転と社会構造との接合可能性に帰することができる。移転しようとする技術の構造と社会構造との不整合はしばしば見られる問題であり,時には技術移転の成否を左右する。それゆえ,農業援助においては,技術構造と社会構造との整合性が十分に考慮されるべきである。, 記事区分:原著, application/pdf}, pages = {65--75}, title = {タンザニア・キリマンジャロ州における灌漑稲作の技術移転に関する研究}, year = {1995}, yomi = {イケガミ, コウイチ} }