@article{oai:kindai.repo.nii.ac.jp:00020988, author = {石橋, 明浩 and 前田, 健吾 and Eric, Mefford}, issue = {31}, journal = {理工学総合研究所研究報告, Annual reports by Research Institute for Science and Technology}, month = {Feb}, note = {[概要]エントロピーと情報に関する幾何学的および量子論的考察として、量子論的光的エネルギー条件「Quantum Null Energy Condition (QNEC)」を、AdS/CFT対応(ホログラフィック理論)を用いて吟味した。 一般に、物理学における理論モデルは安定な基底状態をもつべきであり、そのためには理論の定めるエネルギーに下限がなければならない。例えば、一般相対論においては、エネルギー・運動量テンソルに対する制限が課される。代表的なものは、弱いエネルギー条件「Weak Energy Condition (WEC)」であり、「どのような観測者からもエネルギー密度が非負であれ」という主張である。WECは既知の古典的な物質場に対しては必ず成り立つものと考えられている。WECの光的極限に対応するものは光的エネルギー条件「Null Energy Condition (NEC)」である。NECは、特異点定理、トポロジー定理など、重力理論のまつわる諸定理の証明において鍵となる重要な役割を果たす。一方、物質を量子論的に扱う場合には、カシミア効果等で良く知られているように、少なくとも局所的には必ずWECやNECを破ることができる。そこで、これまで様々な型の非局所的エネルギー条件が提案されてきた。最近では、量子論的光的エネルギー条件(QNEC)がある。これは余次元2の閉曲面に対するベッケンシュタイン・ホーキング(Bekenstein-Hawking)エントロピーと量子場のフォン・ノイマン・エントロピーを結びつけた「一般化されたエントロピー」に対する熱力学第2法則と直結するものである。これまでに平坦な時空上でQNECがさまざまな量子場に対して成立することが証明されてきたが、曲がった時空上での量子場に対してはQNECはほとんど吟味されてこなかった。 本研究では、QNECを曲がった時空上で吟味するために、背景時空として3次元の漸近平坦ワームホール時空を考え、それを境界にもつ4次元の漸近AdSブラックホール解を構成した。そして、AdS/CFT対応を用いて強結合量子場に対してQNECを評価するとQNECが破れることを示した。有限温度のブラックホールの双対理論として、QNECに対して有限温度の場の量子論の効果を考えた。このモデルでは、特にフォン・ノイマン・エントロピーに、紫外発散に加えて赤外発散も現れるため、赤外正則化の一つの方法として、対応するバルク・ブラックホールのベッケンシュタイン・ホーキングエントロピーによって赤外発散を相殺することを提案した。この方法は有限温度の効果とエンタングルメント・エントロピーの部分を分離可能とする観点で、自然な正則化と考えられるのが特徴である。, application/pdf}, pages = {23--54}, title = {〈報告〉「人・環境・エネルギーの未来創造“生命による情報利用”からのアプローチ」「エントロピーを鍵とする「情報・生命・エネルギー」の包括的な理解」に関する研究報告}, year = {2020} }