@misc{oai:kindai.repo.nii.ac.jp:00010416, author = {小山, 敦子}, month = {Dec}, note = {「心療内科」という名称は, "心身症 "を診る専門の科として1996年に正式に標榜が許された比較的新しい分野であるが, その歴史は古く, 1958年池見酉次郎が「心身医学」を日本に導入し, 九州大学を中心として広まってきた. 「心身医学」とは"病 "をみるのではなく, "病をもっている人間 "を診る, その人の心理社会的背景からその人を取り巻く環境を含めて, 心身両面から, その患者さんが"病 "とつきあいながら今後の人生をどうやって切り開いていくか, を一緒に考え, 実践していく学問である. また, ひとたび"病 "にみまわれると, どこかが痛いというような身体的苦痛だけではなく, 心理的な苦痛も, 仕事や経済面での社会的苦痛も, そして自分の人生とどう向き合っていくかというスピリチュアルペインも加わる. このような苦痛が相互に関連しあって, 「Total Pain(全人的苦痛)」をもたらす. したがって, これに対処するには, 医療側も全人的医療を実践していく必要がある. そのTotal Painをもたらす代表的な疾患が「がん」である. 心療内科はサイコオンコロジー(精神腫瘍学)の分野でがん患者さんの心理・社会的苦痛やスピリチュアルペインを扱ってきたが, このたび緩和ケアの領域にも取り組んでいくことになった. サイコオンコロジーは1977年に米国のMemorial Sloan-Kettering Cancer Centerに設置され, "がんが心に与える影響 "と "心ががんに与える影響 "の双方向性の研究・臨床実践を通じて, がん患者さんのQOLの向上, がん罹患率の減少, 生存の延長を図ろうとする集約的学問体系である. 一方, 緩和ケアは生命を脅かす疾患に伴う問題に直面する患者と家族に対し, 疼痛や身体的, 心理社会的, スピリチュアルな問題を早期から正確にアセスメントし解決することにより, 苦痛の予防と軽減を図り, 生活の質(QOL)を向上させるためのアプローチである, とWHOで定義されている. 心身医学は心身相関の評価やアプローチを通して, 全人的医療の実践を目指し, これらのサイコオンコロジーや緩和ケアを包括している. また, 医療者-患者・家族間,多職種の医療者間のコミュニケーションを円滑にして, 全人的アプローチを実践していくためのチーム医療の要となるものである., application/pdf}, title = {〈特別講演抄録〉心身医学とがん医療}, year = {2013} }